植林ボランティアツアー in ハバロフスク

ロシア シカ・チャリアン村の子供たちと(右が原田さん)

 

新緑の広島から早春のロシアへ 

友人に誘われ、4月30日から5月6日までの一週間、ハバロフスクの植林ボランティアへ参加しました。成田から飛行機で約2時間、そこは早春のヨーロッパでした。樹々の芽は膨らみかけてはいるものの、まだまだ先とばかりに枝のみが目立っていました。ところが帰る頃には、なんと どの樹々も初々しい葉を空に向かって伸ばし、広げ、いっぺんに春の到来を告げていました。結局、持参したダウンとセーターは、ほんの数日活躍したに留まりました。対岸がわからないほどの海のようなアムール川、地平線の見える平野、どこまでも続くシラカバの林。とてつもなく広く大きな大地でした。(時差は日本時間+1時間)

 

いざ植林

植林はハバロフスクの市街地にて、政府の機関である森林局の方々と、シカ・チャリアン(ナナイ族)の子ども達と共に行いました。植林した木は3年生の「チョウセンゴヨウマツ」。寒さ厳しい極東の地(寒帯林)では1年でわずか1㌢の生長と伺いました。地拵えして植える日本とは違い、なだらかな平地に 鳶口(とびくち)に溝を付け先を真っ直ぐにしたような道具で、グイグイと20㌢ほどの深い穴を開け、そこに苗をまっすぐに入れていきます。土は粘土質で水分を含み重く、苗を入れた後は長靴で土を寄せ周りを踏み固めていきます。踏み方がふんわりしていると、見ていた森林局の方が、30㌢もあろう大きな長靴のかかとを使ってさらにギュッと踏み固め「こうするんだよ」と、教えて下さいました。肥料は肥沃な土地なので十分に栄養は足りているとの事、追肥はやぎや牛の放牧に頼っていると知らされました。当日はTV局の取材も入りこの様子は翌日放映されました。

ロシア2 ロシア3 チョウセンゴヨウマツと穴を掘る道具

 

森林復活を目指して

東の寒帯林(タイガ)は、大規模な伐採や、雷や人災による山火事などにより、大きな危機を迎えています。数年前にはアムール川が氾濫し大きな被害を受け、植林の重要性は益々高まっているとの事、「きれいな空気、きれいな自然を残し、森の復活に誇りを持って是非貢献して欲しい、将来も活動を続けて欲しい」と、森林局の方の熱いメッセージが心に響きました。マイナス30度にもなるアムール川は冬には全面凍結し、オホーツクの流氷はアムール川からと知りました。日本の北の海の恵みはまさにロシアの大地からなのです。

ロシア4 広~い植林地。右に縦一列にマツが並ぶ

 

 

ツアーの事

ツアーの主催は「NPO法人・むさしの・多摩・ハバロフスク協会」。ロシアの人々と共に寒帯林植林事業を行って20年を経ており、日本とロシアの草の根交流を通し懸け橋となっています。今回は植林活動の他、博物館や市内の観光、「ロシア太平洋国立大学」の環境セミナーにも参加しました。宿泊は主に大学の宿舎にお世話になりましたが、憧れのシベリア鉄道にも1泊し、有意義な旅を体験する事ができました。昨年、ボルネオでの植林にも携わった事から、熱帯雨林とタイガではどのような違いがあるのだろうか、今回の一つのテーマでありましたが、それは、~それぞれ課題を抱えながらも自然の中でみんなしっかり地に足をつけてイキイキと生きている~。 元気をたくさん貰いました。

ロシア5 市内を悠々と流れるアムール川を背にしての一行

(報告:原田 澄)

 

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