25周年を迎えるにあたって

『森づくり』のその先に何を見ますか

(会報誌「もりの手紙」2022年1月号掲載)

NPO法人もりメイト倶楽部Hiroshima

理事長 山本恵由美

山本恵由美理事長旧年中は多くの方々にご支援をいただき、新たな年を迎えられましたことに心より感謝申し上げます。今年は25周年を迎えます。発足以来、様々なご縁を受けながら倶楽部なりのチャレンジを続けてきました。昨年だけでも会報「もりの手紙」をひも解くと、多彩な人々の関わりが垣間見えてきます。メイン行事の定例会や各部会の活動は元より、レギュラーメンバーを紹介する「この人」、庭木や里山の身近な生活に役立つことから世界の樹木等のうんちくが詰まった「樹木いきいき講座」、活動等で出合った草木記「今月の一枝」や「安全確保」に関する情報コーナーなどの新旧の企画が彩っており、本会の層の厚さを感じ取ることができると思います。

依頼事業も目白押しで、広島県で独自に開催している「ひろしま山の日」や水道事業と連携した「太田川源流の森」事業や広島市森林公園の『森の学校』。小学生対象では「太田川学校間交流事業」や三滝少年自然の家の『三滝キッズレンジャー』を。中学校は「職場体験」や総合学習の授業で受入れ、大学生はボランティア体験の提供団体となっており、活動フィールドにおいてもその多様さを見れば言うまでもありません。自治体や企業からの依頼の中には、指導要員だけにとどまらず、日程を含めて場所の選定から内容全般を一からデザインしてほしいというオーダーも増えてきました。これも果敢に挑んできた長年の実績による賜物「信頼」から得た結果だと思っています。

本会の未来のカタチがどうなっていくのかは皆さん次第ですが、森づくりは地域やメンバーの「人」と「その森の特異性」等の資源を活用して、コーディネーション(調整)していくことが必要です。整備ばかりに気を取られるのではなく、森づくりのデザインを考えるときにはまず、何かを生み出す全般のプロデュースから始まります。これは研修や経験年数で得られる技術ではなく、現場で培われた勘や感覚などで体得した知識から生み出され、研ぎ澄まされた「感性」が重要です。

クライアント(依頼者)の意図と、こちらで伝えたいことをデザインしていき、互いの納得点を見出していく綿密な企画力と折衝能力が必要とされます。その上で、本番当日は主催者やマスコミなど多くの関係者の立場に気を遣いながら、状況の変化に合わせる判断力と対応力も要求されます。簡単に言えばもりメイト倶楽部がこれまでやってきたことを『見せる』という集大成に匹敵する意識と気概が不可欠です。昨年取り組んだ「中国電力70周年イベント」が正にこれに該当します。私は、活動を共に担うこのような人財を待ちわびています。

地域貢献プロジェクト例会の森林整備を例にとっても、恵下山公園や神の倉山、黄金山山頂等々の「森を護る人たち」の応援に加えて、その森づくりの先に集う多くの利用者の姿を想像してください。みんなの笑顔のために、そして記念の年を迎える‟その先“を考えるならば、仲間を増やす協力(年間3,000円、月額250円の会費)も惜しむことなく、四半世紀の歴史を未来へ紡いで進んでいける組織でありたいものです。今年は寅年。力強く皆でトライしていきましょう。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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