【今月のひと枝】イロハモミジ(以呂波紅葉)<ムクロジ科・カエデ属>  絵・文章:原田澄

イロハモミジ

本州(福島県以南)、四国、九州に自生する落葉高木。別名、「イロハカエデ」「タカオモミジ」。全国各地で植栽され、園芸種が多い。葉は対生に付き5~7つに深く裂け、縁には不規則なギザギザの重鋸歯がある。葉の長さは4~7㌢の手の平形。雌雄同株で4月~5月に小さな花を付け夏から初秋の頃熟す。果実はプロペラ状の翼果で、ほぼ水平に開く。名の由来は、葉の裂片を「いろはにほへと」と数えたことから。秋には美しく紅葉する。「モミジ」という言葉は、葉が赤や黄色に変わるものの事を指したが、代表格のこの木の名になった。カエデもモミジも同じ仲間でたくさんの種類がある。……▼半年振りの間伐部会、ツクツクボウシが鳴き、クズの芳しい香りが一面に漂う中、まずは作業道の整備をする。出合った風貌のいい「イロハモミジ」は日差しを遮り、やさしく木漏れ日を落としてくれた。▼猛暑にあえいだ夏。しかし、季節は移ろい、ススキが穂を伸ばし、夕べには虫の奏でる声が心地よく響く。「暑い夏」のあとの秋、待ち焦がれる心はより幸せに満ちる。

―2016・8・20 佐伯区湯来町の間伐部会にて―

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